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2013年6月27日木曜日

12. ルビンの壺とヌーソロジー

さて、これからヌーソロジーにおける「観察子」と呼ばれるものの構造の概略について説明する前に、まずは、次の図を見て下さい。

 
左上の図は、デンマークのE・ルビン(Edger Rubin)という人が1921年に発表した「盃と顔図形」です。これは、通称「ルビンの壺」と呼ばれる、心理学の本などに登場する錯視図形として有名な図です。右上の図は、白黒を反転させた「ルビンの壺」です。これは、「壺」の図に焦点に合わせて見ているときは「向かい合う2人の顔」が見えず、逆に、「向かい合う2人の顔」の図に焦点に合わせて見ているときは「壺」が見えなくなるという構図です。

もう少し厳密に言うならば、「壺」を「図」、「向かい合う2人の顔」を「地」として見ているときは、「図」である「壺」は見えても「地」である「向かい合う2人の顔」は見えないのですが、反対に「向かい合う2人の顔」を「図」、「壺」を「地」として反転させて見てみると、今度は「図」である「向かい合う2人の顔」が見えて「地」である「壺」が見えなくなるというわけです。
実はこの「ルビンの壺」の構図に、今回お話をさせて頂くヌーソロジーのとても大事なものが語られています。
   

ヌーソロジーは、端的に言ってしまえば、わたしとあなた、つまり、自己と他者の、モノをめぐる認識から始まる宇宙論(Cosmology)と言えると思います。これはどういうことかと言いますと、かなり大雑把な言い方になりますが、あなたからわたしへ、わたしからあなたへという視線を交換する現場がモノであるというわけです。


この意味については、追々説明していくことにしましょう。

2013年6月18日火曜日

11. ヌーソロジーを理解する手掛かり

それでは、ここで「ヌーソロジー」というものを何らかの形で知った方が、一体ヌーソロジーとはどのようなものであるか、その内容等を自分なりに勉強し、理解するには、どのような手掛かりがあるでしょうか。

まず第一の手掛かりとして存在するのは、単純に「既刊の単行本を読む」という方法です。ところが、この誰もが真っ先に思いつく最も単純な方法が実は意外と手のかかる方法であるのは、既刊のヌーソロジー関連の書籍の大半が2013年現在絶版になっているからです。具体的に列挙しておきましょう。

○既刊の単行本を読む(ほとんどのものは、現在中古本でしか手に入らない)。
⇒『2013:人類が神を見る日』(半田広宣・著、徳間書店、1997、絶版)
  『2013:シリウス革命』(半田広宣・著、たま出版、1999)
  『光の箱舟-2013:超時空への旅-』(半田広宣&砂子岳彦・共著、徳間書店、2001、絶版)
  『超知ライブラリー SCIENCE 004  2013:人類が神を見る日 アドバンストエディション』(半田広宣・著、徳間書店、2008、絶版)
  『2013:The Day God Sees God 』(Natural Spirit International、2008)

第二の手掛かりとしては、単行本が見つからないなら、単行本に代わるような「既刊の雑誌や電子書籍を読む」という方法です。これもまた、既刊のヌース雑誌『phonio』については、いずれも絶版になっており、手に入りにくい状況です。したがって、実際に残る方法としては、ヌースアカデメイアから出版されている既刊の電子書籍を読むという方法になります。

○既刊の雑誌を読む(ほとんどのものは、現在中古本でしか手に入らない)。
⇒雑誌『phonio vol.1』(ヌースアカデメイア、2002、絶版)
  雑誌『phonio vol.2』(ヌースアカデメイア、2003、絶版)
  『変換人のためのヌース用語辞典』 』(ヌースアカデメイア、1994、絶版)
○既刊の電子書籍を読む。
⇒『2013:人類が神を見る日[digital edition] 』(ヌースアカデメイア、 2013)
  『The Ark Of Photon(光の箱舟)[digital edition] 』(ヌースアカデメイア、 2010)

続いて、第三の手掛かりとしては「ヌースレクチャーDVDを鑑賞する」という方法があります。やはり最新のものがよろしいので、「NOOS LECTURE LIVE 2009-2010」シリーズを収録したDVDがいいでしょう。もちろん、お金に糸目をつけないなら「NOOS LECTURE LIVE 2009-2010」シリーズ全13巻のセットがベストです。

○最新のヌースレクチャーDVD(NOOS LECTURE LIVE 2009-2010収録)を鑑賞する。
⇒『NOOS LECTURE LIVE DVD 2009-2010 limited box edition 【50セット限定生産】 』(13巻セット)
  『NOOS LECTURE LIVE DVD』Vol.1~Vol.12 『NOOS LECTURE 2010 FINAL EVENT DVD』(Vol.13)

次に、第四の手掛かりとしては、以前「ヌーソロジー関連のサイト」でもご紹介した以下のテクスト系サイトがお薦めです。

○ネット情報(テクスト系サイト)を見る。
⇒cave syndrome…半田広宣氏のブログ。
  ヌースアカデメイア公式サイト(現在更新停止中)
  ヌースアカデメイアブログ…アカデメイアスタッフによるアカデメイア活動状況などの最新情報。
  ヌーソロジーロッジ(公式SNS)…半田広宣氏も参加されている情報交換の場。
  半田広宣氏のフェイスブック(SNS)
  ヌーソロジーロッジのフェイスブック(SNS)
  その他、個人の良質のファンサイト及びブログ

同様に、第五の手掛かりとして、動画系サイトを探してみるというのも、一つの手です。

○ネット情報(動画系サイト)を見る。
 …最新のヌースレクチャーや半田広宣氏の講演会の模様の動画を検索して視聴する。
 (例)ヌースレクチャー in フィロソフィア
  http://www.youtube.com/watch?v=sGg2MSU3J4k
  http://www.youtube.com/watch?v=dYDyrdFLvSY

そして、第六の手掛かりとして、「ヌーソロジー関連のレクチャーや講演会、勉強会などに参加する」という方法もあります。

○ヌースアカデメイア主催のレクチャーやアトリウム(ややラフなスタイルの勉強会)に参加する(講師:半田広宣氏)。

○時折開催される半田広宣氏の講演会に参加する。

○各地で開催されている自主勉強会や情報交流会に参加する(講師はたいていの場合は主催者)。
⇒東京ヌース倶楽部(東京)
  関西ヌーソロジー研究会主催のヌーソロジー教室(大阪・京都・神戸)
  勝手にヌーソロジー攻略研究会 in 関西(大津)
  ヌーソロジー情報交流会 "Cafe 2013"(大津)
  福岡ヌーソロジー研究会(福岡)

ここまで来たらまさしく最後の最後の手段、第七の手掛かりが「コウセンさんに直接お会いする」という方法です。もちろん、コウセンさんも何かといろいろお忙しい方ですので、社会人であるなら、アポなしで出向くというのは当然ご法度です。また、ヌーソロジーを全く知らないのに出向いても意味がないでしょうから、これは他の方法である程度ヌーソロジーを勉強した上で、自分なりに作成した資料などを持ち込んで、どうしても直接会って質問をしたい場合などに限るでしょう。

○半田広宣氏に直接会う(最終手段)。
 ・・・ヌースアカデメイアの事務所宛てにメールをして半田広宣氏に直接会いたいという旨を伝えてOKが出た場合のみ、直接会いに行く(もちろん、事前に会う目的を伝えておく方がいいだろう)。
  [mail] info@noos-academeia.com

以上の七つが、私が思いつく「ヌーソロジーを理解する手掛かり」です。よろしかったら、ご活用してみて下さい。

2013年6月16日日曜日

10. ヌースとは超ひものこと?

さて、最近の宇宙論として登場する理論の一つに、「超ひも理論」あるいは「超弦理論」(superstring theory)というものがあり、みなさんもご存知かもしれませんが、ここに登場する「ひも」というものが、面白いことに、この古代ギリシア語の「ヌース」(旋回する知性)のイメージに極めて似通っているのです。

最新の現代物理学によれば、私たちの宇宙は、「フェルミオン」と呼ばれる物質粒子と、「ボゾン」と呼ばれる力を媒介する粒子でできていると言われています。超ひも理論によれば、そうした2種類の量子は、さらに「開いたひも」と「閉じたひも」と呼ばれる2種類のひものような存在から成り立っており、これらのひもは光速でぶんぶんと回転していると言うのです。



(川合光・著『はじめての〈超ひも理論〉 宇宙・力・時間の謎を解く』p.29~30より)

この光景は、まるでアナクサゴラスが言っていたこととほとんど同じではありませんか。

2013年6月15日土曜日

9. ヌースとは何か?

さて、いよいよ古代ギリシア語の「ヌース」という言葉ですが、この「ヌース」という言葉を最初に使ったのはギリシアのアナクサゴラスという哲学者だそうです。ギリシアのソクラテス以前の哲学者たちが言っていることは、言葉の断片しか今では残っていないのですが、そのうち、本人の著作からの断片と言われる「真正断片」というものがあります。その中で、アナクサゴラスはこんなことを言っています。

「あらゆるものは一緒になってあったが、それらは、その数においても小ささにおいてもともに無限である。小さささえ無限であったからだ。そして、すべてのものが一緒にあった間は、何ひとつとして、その小ささの故に、目に見えはしなかった。それというのも、空気とアイテルとが――これらはともに、無限なものである――、すべてのものに勝って優位を占めていたからなのだ。すなわち、これらは、ものの全体のなかで、数の点でも、量の点でも、最多のものだからである。」(アナクサゴラス 真正断片1)
(廣川洋一・著『ソクラテス以前の哲学者』p.309より引用)

アナクサゴラスは、あらゆる物質は無数の何かからできていると考え、これに「種子」(スペルマータ;spermata)と名付けました。「スペルマータ」とは今で言う「スペルマ」(精子)のことです。

「知性(ヌウス)は無限で独立自存し、何ものとも混合せず、ただひとり、それ自身で、自らのもとにある。……(中略)……また知性は回転運動全体を支配したから、原初において回転運動が生じたのだ。最初、小さな領域から回転運動が生じたが、今ではより広範囲にわたって回転運動が行われ、これから先もいっそう広い範囲にわたって回転運動が行われることだろう。そして、混合されたもの、切り離されたもの、分離されたもの、これらのもの一切を、知性は知ったのだ。また、あろうとしていたかぎりのもの――すなわち、かってあったもの、今あるもの、これから先あるであろうもの――の一切を、知性は秩序づけたのだ。……(後略)……。」(アナクサゴラス 真正断片12)
(廣川洋一・著『ソクラテス以前の哲学者』p.313より引用)

宇宙には最初、「スペルマータ」と呼ばれる、目に見えないくらい小さな無数の種子が1つになっている状態であり、混沌としていました。そこに、ある原理による作用として、小さな渦巻きができます。その渦巻きがどんどん大きくなって、いくつもに分かれ、私たち自身や私たちが見ているこの世界が出来上がったというのです。この作用を引き起こす原理こそが「ヌース」(nous)と呼ばれる精神・知性です。要するに、「ヌース」という秩序を持った精神が現れて、それが旋回するようにしてその種子から宇宙を練り上げていった。そういう考え方がアナクサゴラスの考え方です。

「あらゆるもののうちに、あらゆるものの部分があるが、知性(ヌウス)は別だ。だが、その知性もまた内在するようなものがいくつかある。(断片11)
そして知性が運動を創始したとき、知性は動かされたものの一切から切り離され、知性が動かしたかぎりのものはすべて分離された。ものが動かされ、分離されるうちに、回転運動は、さらにいっそう分離をひき起こすことになったのだ。(断片13)
だが、つねにあるものである知性は、他のすべてのものもまたあるところに、すなわち、まわりを取り囲む多(原初の集塊)のうちにも、またこれまで結合されたり、分離されてきたもののうちにも、今なお確かにあるのだ。(断片14)」
(廣川洋一・著『ソクラテス以前の哲学者』p.313~p.314より引用)

半田広宣氏は、『NOOS LECTURE LIVE DVD 2009-2010 Vol.2』の中で、こんなふうに語っています。

「つまり、知性によってこの宇宙は創られたという考え方をして、その知性をヌースと呼んだわけです。この旋回する、スピンするというのは、ある意味プラトンを代表とするギリシアの哲学者たちにとって「神は宇宙を回転することにより創り上げた」という考え方はある意味オーソドックスな考え方です。つまり、回転が宇宙を創り出したのだ、ということです。そういった意味で、この回転を使って宇宙を創造したということで、ヌースはぐるぐるぐるぐる旋回するわけですから、「神の知性」とも呼ばれることになります。「旋回する知性」、つまり、かざぐるまのように、知性の力が風の力だとしたら、風を与えると、ぐるぐるぐるぐる回り出して、それこそ回りながら上昇していく、そういうような知性のイメージです。それで、「創造する知性」「最初の知性」「イデアを対象とする知性」と呼ばれることもあります。ここで言う「イデア」とはプラトンの言うイデアとは少しイメージが違うのですが、いわゆる宇宙を創り出した本質的な理念のことです。つまり、神の対象物と言ってもいいのですが、神がこう対象を創り上げていくことがある意味、宇宙の創造だとしたら、その創造していくために扱う対象というのがイデアになります。だから、ヌースの対象はイデアなんです。つまり、ヌースはイデアを対象とするということです。」

つまり、ヌースとはこの宇宙を創り出した「旋回する知性」だというわけです。

8. そもそも、ヌースとは何なのか?

それでは、このヌーソロジー(NOOSOLOGY )=「ヌース学」、およびその前身である旧「ヌース理論」が冠する「ヌース」(NOOS)とはそもそも何なのでしょうか?

ヌースの呼称のそもそもの由来は、前述した半田広宣氏と謎の意識体であるオコツトとの交信記録である「シリウス・ファイル」で用いられているシリウス言語に、「ノウス」という言葉があって、それに対する「ノス」という言葉とともによく登場する言葉です。

シリウス・ファイルの交信記録19910530として、こんなやり取りの記述があります。

「ノスとは。」「人間の意識に方向をもたらすもの。ノスとは見えないものに動かされている力。カタチが上次元に返らないもの。対化によってカタチを変えるもの。ノスとは付帯質を持つもの。ノスとは抽出を操作するもの。」

「僕が次元の構成を組み立てている力もノスの働きですか。」「もちろんそうですノスがあなたがたを意識に関与させています。」

「悪い働きというわけではないのですね。」「そういうものではありません。」

「しかし、エゴを作り出しているのもノスなのでしょう。」「もちろん、そうです。ノスは人間自身によって生み出され人間自身によって操作することができます。」

「ノスが生まれていない人間もいるのですか。」「人間はノスがなければ生きていけません。ノスとは内面性を司る一つの力と考えて下さい。ノスを等化することにより生み出されるのがオリオンです。ノスはノスが等化することによりオリオンがノスを操作することができます。」

「オリオンの反対のような存在ですか。」「ある意味で近いかもしれません。」

「スマルとノスはどうちがうのですか。」「ノスの反映がスマルです。ノスはスマルも持つことができるしオリオンを持つこともできます。」

「中性的な存在ということですか。」「ある意味ではそうです。」

「ノウスとは。」「人間自身が持っている力。」

「ヒトや真実の人間は持っていないのですか。」「持っています。しかし、人間が持っているものとは全く違います。ノウスはガン細胞のようなものという言い方もできます。ノウスが生み出されることにより多くのものが失われることもあります。」

「ノウスとはノスの対化と考えてよいのですか。」「オリオンにおいてはそのようにいうことができます。ノウスとノスは逆方向。」

「あまりよい働きではないのですか。」「ノウスが生み出されることにより多くのものが失われ、力が失われるという意味ではあまりよい働きとは言えないでしょう。」

「人間にとってノウスとはすべてと考えてよいのですか。」「ある意味ですべてに存在します。」

こうした実際のやり取りを目の当たりにすると、半田広宣氏と謎の意識体であるオコツトのやり取りがいかに大変なものであったか、少し察しがついたのではないでしょうか。

こうしたやり取りに登場するノスとノウスというペアの言葉におけるノウスがそもそもの語源というわけです。このやり取りを読んでいると、何だかノウスが人間にとって悪いもののように錯覚しますが、後でわかるように、このノウスとは「宇宙の創造の力」と言っていいものです。

半田広宣氏の話によれば、このシリウス言語の「ノウス」という言葉が持つ意味を大切にしながら、既に同じ響きを持った言葉が、世の中に存在していないだろうかと探索したところ、ちょうど古代ギリシア語に「ノウス」(NOUS)という言葉があって、その英語読みである「ヌース」(NOOS)を、この知の体系に冠したそうです。以降「ノウス」は「ヌース」という英語読みで発音することにします。

それでは、一体、その古代ギリシア語由来の「ヌース」とは何なのでしょうか?

2013年6月14日金曜日

7. なぜヌーソロジーを難しいと感じるのか?

さて、ヌーソロジー(旧・ヌース理論)関連の書籍やネット上のサイトをご覧になった方々の多くがよく口にするのが、「ヌーソロジーは難しい」ということです。

では、なぜ「ヌーソロジーは難しい」と感じるのでしょうか。いくつか挙げてみましょう。

○様々な専門分野の知識や情報が必要。

ヌーソロジー自体が多種多岐にわたっていろいろな分野のことを横断的に採り上げていく類のものである性質上、いろいろな話題の中で様々な専門分野の知識や情報が飛び交います。したがって、それらを採り上げている意味を理解しようとすると、どうしてもある程度そうした専門分野の知識や情報を、仕入れて自分なりに理解しておく方がいいのは確かです。

○特に、数学・物理学の数式や、哲学の難解な用語が巧みに使われている。

その中でも、「U(1)変換対称性」だとか「SU(2)変換対称性」だとか「スピノル」だとか、あるいはドゥルーズ=ガタリの「原始土地機械」だとか「資本主義機械」といった用語が、あちらこちらで出てきたりします。また、物理学関連の数式である「シュレディンガー方程式」なども登場します。こうした専門用語や数式は、自分の得意とする畑でなければ、確かに理解することは容易でないかもしれません。

○そもそもソースであるシリウス言語自体が難解!⇒これは、確かに!!!

でも、一番難しく感じるのは、そうした様々な専門分野の用語や数式よりも、むしろ、「シリウス言語」と呼ばれる独特の言語体系です。これは、元々、ヌーソロジーのソースとも言える、半田広宣氏と謎の意識体であるオコツトとの交信記録である「シリウス・ファイル」で用いられているものです。これは半田広宣氏ご自身も何十年もかかって解析し続けている言語体系であり、これを事細かく読み解くのは至難の業ではありません。

○cave compassやPSO回路といったモデルを用いた構造論が展開される。

そうした「シリウス・ファイル」をベースとして、自然科学と人文科学、さらには神秘学の統合を目指して組み立てられていったものが、「ヌーソロジー」(旧・ヌース理論)だというわけです。そこで展開される世界観を説明するために、いくつものモデルが用意されており、それが「cave compass」と呼ばれる円環状の羅針盤モデルだったり、それらの階層的構築物としての「PSO回路」だったりするのです。こうしたモデルの意味合いを理解することは、同時に、ヌーソロジーの世界観を構築していくことにつながっていきますが、このようなモデルを用いた構造論自体が苦手という方もいらっしゃるかもしれません。

そもそも、私たちは、ヌーソロジーをあまりにまじめにそのすべてをわかろうとしていないでしょうか。そのように、最初からすべてを完璧にわかろうとするのは、人間型ゲシュタルトの悪い癖だと言えるかもしれません。

それより、ヌーソロジーはとりあえずどの分野からでもいいから、まず「何となくわかる」ことから始めれば十分なのです。ヌーソロジー自体、いまだ学問として体裁を整え切れていない、まだまだ発展途上の学と言えますので、それほど厳密に考えすぎる必要はないのです。

したがって、自分が最初に「面白い!」と興味を持ったところこそが、あなた自身のヌーソロジーの始まりです。まずは、そういう気軽なところからアプローチするのがベターでしょう。とにかく、貪欲に一気に何もかもわかろうとしないことです。そうしてしまうと、せっかくのヌーソロジーの旨みをわかる前に、食傷気味になるかもしれません。

それより、もっとヌーソロジーは楽しめばいいのです。それこそがヌーソロジーの一番の醍醐味だと言えます。いろいろな矛盾点や整合性などを考えるのは、少しわかってきてからでいいでしょう。既刊の書籍である『2013:シリウス革命』という1000頁にも及ぶ超大作を一気読みすれば、その根底に流れる何とも言えない躍動感を感じることでしょう。その熱い胸の鼓動にも似た躍動感が何であるかを考えていくものこそが、ヌーソロジーだと言えるかもしれません。

6. 「人間」から「変換人」へ

ヌーソロジーでは、私たちがごく当たり前に使い回している観測者と対象を切り離した対象中心の思考様式を「人間型ゲシュタルト」と呼びます。つまり、簡単に言えば、何かモノについて語るとき、わざわざそれを見ている観測者というものを意識しない思考様式です。これは私たちの物の見方・捉え方・考え方にあまりに広く及んでいるため、そうした思考様式の自然な習慣があることすら無意識になってしまっています。

例えば、このペンはどんな素材で出来ていて、何色で、つやがあって、長細くて…といったそのモノ側に特化した特徴だけを採り上げて話したりしますが、そのとき、それを観測しているわたしとの関係性などは、よほどわたしにとって特別なペンでない限り、はなっから度外視していてわざわざ話に含めたりはしません。そもそもモノを語るとき、それを捉えている観測者の話などしないのがふつうではないでしょうか。

これに対して、物事を捉えるとき、具体的にそれを見たり聞いたりしている観測者はもちろん、そもそもその物事を成立させている背景としての観測者を意識する思考様式こそ、ヌーソロジーが重要とする思考様式であり、「変換人(トランスフォーマー)型ゲシュタルト」と呼ばれます。

つまり、物事を「対象」として切り離した存在として見てしまう思考様式を「人間型ゲシュタルト」だとすれば、物事の成立要件を「観察者」と「対象」を1セットにした全体性の中に求める思考様式が「変換人型ゲシュタルト」なのです。これこそが、ヌーソロジーが提示する「変換人型ゲシュタルト」という思考様式です。


もう少しこの「トランスフォーマー(変換人)」というものが、ヌーソロジーにおいて、どのような存在であるかを見ておきましょう。具体的には、レクチャーなどでは、以下のように語られています。箇条書きで並べておきましょう。

○ニーチェが言う、神の下の弱者という受動的ルサンチマン(怨み)として生きる「人間」を超えた「超人」に近いイメージ。
○トランスフォーマーは、空間の中に意識と物質の起源を見る。
○トランスフォーマーは、無意識の構造を対象とする世界に入っていく。
○トランスフォーマーは、物質的知性を精神的知性へと変換していく。
○トランスフォーマーは、新しいビジョンへと移行する両生類的存在である。言ってみれば「次元両生類」というわけです。

みなさんも、一体「トランスフォーマー(変換人)」とはどんな存在であるかを想像してみて下さい。私たち「人間」とは少し異なるあり方をしているのがおわかり頂けますでしょうか。ヌーソロジーでは、私たち「人間」の意識はこれからこの「トランスフォーマー(変換人)」へと向かっていくのだと言います。

言い換えれば、ヌーソロジーとは、この「トランスフォーマー(変換人)」を目指した思考様式である「変換人型ゲシュタルト」という思考様式を自ら組み立てていく分野のものであるというわけです。

2013年6月4日火曜日

5. ヌーソロジーとは?

さて、「ヌーソロジとは何か」ということですが、ひとことで言ってしまうと、次のようになると思います。

ヌーソロジとは、「オコツト」と呼ばれる意識体とのチャネリング情報(「シリウスファイル」と呼ばれる独特の知の体系)をベースとして自然科学・人文科学・神秘学などの統合を目指した思考様式のこと。

この表現が比較的、的(まと)を得ている言い回しではないでしょうか。

昔、2冊目の本である『2013:シリウス革命』の初版本の帯には、「精神世界、ニューサイエンスを超える宇宙論」だと書かれていますが、これではいったいどんな方向の内容が含まれているか、全く類推できません。確かに恰好いい響きではありましたが……。

ところで、このヌーソロジーは、2008年頃までは「ヌース理論」と呼称されていました。しかし、「理論」と付けてしまうと、科学にしろ哲学にしろ、果たして、きちんと「理論」と呼べるような体系になっているかと問われれば、必ずしも「理論」の体裁を整えていないことがわかります。そこで、その後、思い切って、「ヌーソロジー」(ヌース学)と、その呼び名を変えられたようです。ただ、ヌース「学」と付いているからと言って、では果たして「学問」の体裁を整えているかというと、それもまた怪しいところではあります。

では、ヌーソロジーが目指すところ、あるいは、テーマといったものが、どんなところにあるのでしょうか。

簡単に言ってしまえば、それは今までとは全く違う「新しい人間のビジョン(宇宙観・世界観・人間観)を何とか作れないものか?」ということに端を発しています。

その新しい人間のビジョンを作ることが要請されてくる理由として考えられるのは、「近代以降人間の学問が作り上げてきた宇宙観・世界観・人間観は果たして本当なのか?」という疑念です。それは、今の時代に生きている私たちが感じている社会に対する閉塞感から来ているのかもしれません。つまり、「多様化する現代社会の行き詰まりの原因の根幹は、実はそうしたところにあるのではないか? 」という疑念です。

かつて、そうして閉塞的な状況が表われたとき、それを救済するかのように登場したのが、ある特定の宗教だとか哲学に基づく「こう生きるべきだ」「こうあるべきだ」という道徳でした。でも果たして、本当にそうなのでしょうか。「それを守らなければバチが当たる」といったある種脅迫めいた形をとるようなあり方で、本当に、新しい宇宙観や世界観や人間観を描けるのでしょうか。

こうした道徳的な考え方自体が、従来の私たちの考え方の基本になっているわけです。それこそが、ヌーソロジーが「人間型ゲシュタルト」と呼んでいる思考様式なのです。それは突き詰めれば、宇宙を一つに束ねる一者たる神の下で、人間は弱者だとする考え方です。

ヌーソロジーが目指すところは、私たちひとりひとりに対して、まずは人間であるこの思考様式から脱出せよ!と言ってくるわけです。これがヌーソロジーの現在の立ち位置ではないかと思います。

このことは、私たちのヌーソロジーに対する「学びの姿勢」をも要請してくるように思います。

つまり、一方的受け身で、何かの情報を教えてもらうという姿勢ではなく、自ら能動者として関わるというあり方です。

要するに、自ら考えるのではなく、たいして中身を見もしない商品を受け取るのでは、ヌーソロジーを学ぶことにはならないというわけです。簡単に言えば、「自らの思考を手放すな!」というわけです。

したがって、ヌーソロジーに対するあり方も、単に矛盾点をついてただ価値がないものと決め付けるのではなく、むしろ次に自らどう思考するのかを考えることの方が大切であるように、私には思えます。

4. ヌーソロジーの持つイメージ

ところで、このブログを初めて目にした人の中には、いきなり「ヌーソロジー」なる見知らぬ名称が出て来て、それって一体何だろうと、いぶかしげに感じた人もいらっしゃるかもしれません。そこで、「ヌーソロジーとは一体何なのか」ということを、次に見ていきましょう。

この「ヌーソロジとは何か」という問いかけに対してどう答えてよいかが、いかに答えにくいものであるかは、ヌーソロジーを少しでもかじった人ならよく知っています。それは自分の友達だとか知り合いに、「ヌーソロジーって何?」って軽く聞かれて、「こんな感じのものだよ」と軽く返せないことでもわかります。

それは内容がこみいっていて難しいというよりは、ヌーソロジーが包含し得る守備範囲があまりにも膨大であることにもよるかもしれません。

そこで、「ヌーソロジとは何か」をひとことで言ってしまう前に、まずは気楽なタッチで「ヌーソロジーって何?」って聞かれた場合、どんなふうに軽いタッチで答えられるかということをまずは考えてみましょう。

要するに、みなさんがヌーソロジーに抱いている印象あるいはイメージについてです。思いついたままに、少し箇条書きに、以下に羅列してみました。

・トンデモ=精神世界+ニューサイエンス?
・超トンデモ(精神世界からもトンデモ扱い)
・反転思考
・自己-他者関係を基軸とした認識論
・シリウスファイル(オコツトとのチャネリング情報=OCOT情報)をソースとする宇宙論
・四値論理に基づく構造論
・意識幾何学?意識物理学?

だいたいこんなところが主なイメージでしょうか。ヌーソロジーを少しでも知っているみなさんは、ヌーソロジーに対してどういうイメージを持っておられるでしょうか。

この中で「超トンデモ」というイメージですが、これは確かに、『2013:シリウス革命』初版の帯に書かれていた宣伝文句にも表われています。以下に列挙してみます。

・アトランティスとは未来に存在する!
・コンピュータはまもなく全面停止する!
・人間は不死になり、赤ちゃんは生まれなくなる!
・恐竜など存在していなかった!
・この世界は6500年前に誕生した!
・太陽はまもなく消滅する!

これは精神世界系が相当好きな人であっても、「ここまで言うのはちょっと…」と尻込みすらしてしまう文面です。でも、この一見大上段に構えた超ド級のトンデモにしか見えない文面が、もう少し突っ込んで見ていくと、実はそれほどトンデモでもないのかもしれない、と思えてくるような側面もあるのかもしれません。

それらについては、とりあえずここでは保留にしておいて、いずれ機会があれば見てみることにしましょう。

2013年6月1日土曜日

3. ヌーソロジー関連のサイト

ヌーソロジー初心者の方のために、ヌーソロジー関連の主なサイトをピックアップしておきます。

○半田広宣氏tweet(https://twitter.com/kohsen
…半田広宣氏によるtwitterでのつぶやき。

○半田広宣氏ブログ「cave syndrome」(http://www.noos.ne.jp/cavesyndrome/
…半田広宣氏によるヌーソロジー関連の記事および情報。

○ヌースアカデメイア・ブログ(http://noos-academeia.com/blog/
…ヌースアカデメイア・スタッフによるアカデメイア活動状況などの最新情報。

○ヌースアカデメイア・ショップ(http://noos-academeia.com/jp/html/order/order.html#videos
…ヌースアカデメイアで販売している商品を一覧できるショップ・サイト。

○ヌースアカデメイア公式サイト(http://noos-academeia.com/index.html
…ヌースアカデメイアの公式サイト。2011.1.18より更新停止。

○ヌースコーポレーションの公式サイト(http://www.noos.co.jp/
…半田広宣氏が社長を務める会社の公式サイト。

○ヌースコーポレーションのフェイスブック(https://ja-jp.facebook.com/nooscorporation
…半田広宣氏が社長を務める会社のフェイスブック。

○ヌーソロジーロッジ(http://ouroboros.sns-park.com/?m=portal&a=page_user_top
…ヌーソロジーに関心を持つ人たちのためのSNS(ソーシャルネットワークサービス)。

○facebookファンページ『Noosology Lodge』(https://www.facebook.com/Noos.Lodge
…フェイスブック内の「ヌーソロジーロッジ」。
  ヌーソロジーに興味ある人のためのSNSコミュニティ。

○ヌースDEシネマ(http://www.right-net.co.jp/ikiiki_03/
…半田広宣氏が自ら提唱するヌーソロジーをベースに独自の観点で映画解説するサイト。

○ヌーソロジー攻略研究会・公式ブログ(http://nooskoryaku.blogspot.jp/
…Φ=WHY?が代表を務める「ヌーソロジー攻略研究会」の公式ブログ。

○【R.T.】意識と身体と世界の再帰的三体論(http://r-ouroboros.blog.so-net.ne.jp/
…ヌーソロジーロッジの管理者であるRicardoさんのサイト。

○関西ヌーソロジー研究会・公式サイト(http://www.kansai-noos.com/
…川瀬統心氏が代表を務める「関西ヌーソロジー研究会」の公式サイト。

○川瀬統心氏のブログ「」(http://awakenavi.blog.fc2.com/
…川瀬統心氏によるヌーソロジー関連の記事および情報紹介。

○小野満麿氏のサイト「プロジェクト・メタトロン」(http://metatron.la.coocan.jp/
…半田広宣氏の友人の小野満麿氏のサイト。多面体関連の情報が豊富。

○小野満麿氏のブログ「METATRONIC METALOGUE」(http://metalogue.jugem.jp/
…半田広宣氏の友人の小野満麿氏のブログ。

○ヌースアカデメイアU-Stream TV
 (http://www.ustream.tv/new?lang=ja_JP#/channel/noos-academeia-tv
…ヌースアカデメイアの公式動画サイト。

○ヌースレクチャー 2009 オープニングテーマ
 (http://www.youtube.com/watch?v=KP2GoQ8c85g
…『NOOS LECTURE LIVE 2009-2010』シリーズDVDのオープニングテーマ。

○ヌースレクチャー in フィロソフィア2010(動画)
 http://www.youtube.com/watch?v=sGg2MSU3J4k
 http://www.youtube.com/watch?v=dYDyrdFLvSY
…2010年7月19日に東京で開催された第31回フィロソフィア第2部講演(16:00~18:15)
 「物質と精神を統合するための視座について――自己-他者における空間認識が孕む対称性の考察」の模様。

○ヌースアカデメイアYou Tubeチャンネル
 (http://www.youtube.com/user/NoosAcademeia
…ヌースアカデメイアのYouTube 公式チャンネル。