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2014年7月3日木曜日

20. 「2013」と次元交替化のサイクル

まだ西暦年としてはノストラダムスの「1999」の方がポピュラーだった1997年、半田広宣氏のヌーソロジーに関する最初の著作である『2013:人類が神を見る日』に冠された年として、私は「2013」という数字を最初に目撃しました。筆者の意向か出版社の意向かは別にして、『2013:人類が神を見る日』というタイトル自体、映画『2001:宇宙の旅』を真似たものであることは明らかでしたが、それは同時に、これからの新しい時代のオデッセイとなるようなもの、宇宙叙事詩とでも言うべきものを目指しているような内容だと面白そうだなという期待感もありました。

実際、『2013:人類が神を見る日』の初版本のp.82には、「次元交替化のサイクル」という壮大な意識変遷の図の中の一つのターニング・ポイントとして、この「2013」は登場します。この「次元交替化のサイクル」というのは、人類全体の意識の次元が「覚醒期」→「調整期」→「覚醒期」→「調整期」と移行していくサイクルのことです。

次元交替化のサイクル
(『2013:人類が神を見る日 アドバンスト・エディション』p.79より)

このサイクル1周分は人間の時間では約26,000年とされていて、それはちょうど、地球の自転軸が太陽に対する黄道面に対して約23.4度傾いていることによって生じる「歳差運動」の周期(正確には、約25,800年)の年数に相当します。これは言い換えれば、天球面上で地球から見られている太陽が黄道を一周する年数だとも言えます。その意味では、大雑把には天球の1自転の周期と言ってもいいのかもしれません(ちなみに、天球上では、天の北極は黄道の北極に対して約25,920年かかって一周します)。

参考までに、天文学的には、実際の太陽系は、天の川銀河の中心から約25,000光年離れたいて腕とペルセウス腕の間にあるオリオン腕というところに位置しています。この太陽系が銀河中心に対する公転周期は1銀河年と呼ばれ、正確には約2.25億年から2.5億年だそうです(銀河年と地球歳差周期をヌーソロジー的にどう対応付けてみるかを考えてみるのも、一つ面白い観点かもしれませんが、ここではあえて深入りしません)。

地球の歳差運動
(自然科学研究機構 国立天文台のサイト http://www.nao.ac.jp/faq/a1007.html より)

この「次元交替化のサイクル」と同じような図は、他にも、『2013:シリウス革命』のp.592にも、「真実の26,000年と薔薇十字」という渦巻き状の図としても表されます。

真実の26,000年と薔薇十字(『2013:シリウス革命』p.592より)

この「次元交替化のサイクル」の図にしろ、「真実の26,000年と薔薇十字」の図にしろ、結局のところ、円に2本の直交する直線を交差させた図形である、いわゆる、「丸十字」を基本にしています。しかも、じっとこうした図を眺めていると、何だか、この「丸十字」の平面を視界とする世界に、鋭く突き刺してくる視線を感じます。

丸十字記号

「丸十字」の記号と言えば、歴史的にもいろいろな分野で古くから使われている記号であり、ドルトンの原子記号では硫黄の記号として、占星術などの惑星の記号としては地動説以降、地球の記号として使われています。

この「次元交替化のサイクル」や「真実の26,000年と薔薇十字」に見られる「丸十字」のイデア的な構図が、数学の複素数平面上の単位円の図だと言うと、トンデモだといわれるでしょうか。実際、この複素数平面上の単位円の図は、『2013:人類が神を見る日』の初版本のp.245とp.252に、「オイラーの公式」とともに描かれています。

オイラーの公式と複素数平面上の単位円
(『2013:人類が神を見る日 アドバンスト・エディション』p.234より)

この図上で横軸の「1」のところにあった点は虚数単位「i」を1回掛けるごとに、1(横軸)→i(縦軸)→-1(横軸)→-i(縦軸)と遷移し、4回掛けると元のところに戻ります。私はこの4つの状態を遷移する図から、イメージされる世界観を、まるで本の見開きのような図にして描いてみました。

0→1→2→3という数の流れの前半が内側の見開き、後半が外側の見開きに描かれていることから、1回目の内側の回転で0→1を通過し、2回目の外側の回転で2→3と通過するという2回転として見ることができます。これは、「2013」という数字を使った、ちょっとしたお遊びでもあります。

「2013」が示唆する構造的意味

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