ページビューの合計

2016年1月27日水曜日

26. 対化の概念とそのイメージの描像

おもな二項対立
   

※最後の二項については、精神分析における厳密な症状としてはこの訳の当て方は今では正確でないが、直観的に捉えやすいために、ここではあえてこうしておく。

ヌーソロジーで登場する用語で大事なのはその「概念」です。よりヌーソロジー的に言えば「理念」(イデア)と呼んだ方がいいのでしょうが、一般の人にはピンと来にくいと思うので、ここでは「概念」と称することにしましょう。

まずは、ヌーソロジーにおいて、最も重要な概念とも言うべき「対化」です。「対化」という言葉を聞いて、みなさんは何を想像するでしょうか。何か二つの対立項を想像するのではないでしょうか。例えば、こんな感じです。表2.1に、ランダムに列挙してみました。

こうした具体的な対立項の列挙を眺めて、何となく「対化」のイメージが立ち上がってくるでしょうか。みなさんのアタマの中で、その何となく立ち上がってきたイメージこそ、ヌーソロジー理解のためには一番大事なのです。

次に、「対化」の最もわかりやすい描像と言えば、やはり幾何学的な図示ということになるでしょうか。その中でも最も簡単な描像は「数直線」を用いるものです。例えば、こんな感じです。対比のために、前述の負荷と反映の図示を少し変更して右に並べてみました。


対化の描像(1)

右の図の場合、例えば、A,B間が1km離れているとして、BAの向きを「正」とすると、ABの向きは「負」として、BA=+1kmAB=-1kmと表わすことができます。

これを数直線上で表してみます。数直線とは、直線に実数の集合を対応させたものであり、通常、中央に原点Oとして実数の「0」を対応させます。このとき、1という単位を決め、これを「物差し」(基準)にして、数直線上の計測を行います。方向については、右向きを「正」の方向と決めれば、逆方向の左向きが「負」の方向になります。例えば、正の方向に1という単位の2倍の大きさの位置をとれば、+2となります。同様に、負の方向に1という単位の2倍の大きさの位置をとれば、-2となります。

この表し方によれば、正の方向にaだけ位置付けされた+aは、原点Oから正の方向に大きさaの矢印として表せます。このような方向と大きさを持った量を「ベクトル」と呼びます。これと全く逆方向の負の方向にaだけ位置付けされた+aは、同様に、原点Oから負の方向に大きさaの矢印として表せます。前述のベクトルを「正のベクトル」と呼べば、負の方向のベクトルは「負のベクトル」となります。

これは簡単に言えば、原点Oを中心にして「正のベクトル」を180度回転させたものが「負のベクトル」となるということです。このことは、実数+aに-1を掛けて-aにするという計算が、「原点Oを中心とする180度の回転」であることを意味します。


対化の描像(2)

 したがって、ヌース用語の「負荷」を「正のベクトル」とすれば、「反映」は「負のベクトル」ということになります。こうした「負荷」と「反映」の関係性が「対化」というわけです。「対化」の最初の幾何学的な描像としては、とりあえずはこれで充分かもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿