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2018年3月27日火曜日

29. ミクロとマクロの対称性――次元観察子ψ1~ψ2

さて、次元観察子の中で、最も基礎となっているものが次元観察子ψ1~ψ2であり、人間の意識が今住んでいる階層だと言ってもいいでしょう。要するに、人間の意識はまだここにしかスポットライトが当たっていなくて、他の階層は暗くて全く見えていないということです。それは一体どういうことなのでしょうか。一緒に考えてみましょう。

まず、私たちが時空、つまり、宇宙に対して、よく思い浮かべるイメージとしては、私たちが生きている地球を含む太陽系があり、それを含むオリオン腕があって、さらにはそれを含む天の川銀河、さらにそれを含むおとめ座超銀河団があり、こうした超銀河団が平面状の壁のような分布している銀河フィラメントと呼ばれるものがあり、銀河フィラメント同士の間には天体がほとんど存在しない超空洞(ヴォイド)と呼ばれる領域があると言われています。こうした宇宙の大規模構造の下では、私たちの地球およびそこに暮らす私たちとはなんて「ちっぽけな存在」だろうと思えてしまいます。
こうした科学が持っている世界観は、一般には「宇宙原理」と呼ばれています。要するに、大きなスケールで見れば、「宇宙は一様かつ等方である」という主張です。言い換えれば、「宇宙には特別な場所は存在しない」という主張になります。したがって、天の川銀河、太陽系、地球も特別な存在ではなく、そこに暮らす私たちも取るに足らないちっぽけなありふれた存在だというわけです。つまり、私たちは宇宙に対して、基本的に、こうしたビジョンを描いているのです。

最新の宇宙論では、宇宙の年齢は約138億年と計算されていて、人間が観測可能な宇宙の範囲というのは最大で約465億光年先までと言われています。よく宇宙の年齢は約138億年だから、それに光速度を掛けたものが、人間が観測可能な宇宙の範囲だと誤解されますが、この論理は宇宙が特殊相対論での平らな時空である場合に限って意味をなすものです。実際の宇宙では、4次元の時空連続体は宇宙スケールではかなり歪んでいるそうですので、この論理は意味をなしません。ただここでは、人間の意識を論じる上での出発点としては、とりあえず特殊相対論に基づくミンコフスキー空間を想定しても大きな問題は生じないと思われますので、宇宙の範囲を半径約138億光年の球空間とし、それを円板状の底面に見立てた光円錐を想定することにします。

さて、何かボールのようなものを手にとって眺めてみましょう。すると、私たちは、このボールの輪郭は「円」として見ているはずですが、なぜかこのボールを「球体」としてイメージできます。私たちは、その「球体」のイメージを限りなく膨張させていけば、どんどん自分を包み込み、地球を包み込み、宇宙の果てまで広がっていく空間を観念として作り出せます。その「球体」のイメージが膨張して拡がっていくイメージがψ1です。すると、もし私が宇宙の中心にいるとすれば、私が視線を向けて観測される宇宙の果てというのはビッグバン理論によって宇宙が開闢した約138億年前の時空を見ているということになります。


図1 ミクロとマクロの対称性と時空の対称性
(『2013:人類が神を見る日 アドバンスト・エディション』p.171より)

ということは、約138億光年彼方の宇宙の果てから宇宙の中心への方向性の軸は、まさしく、時間軸ということになります。まるで何者かが点の内部でも覗き込んでいるかのように、宇宙の果てから宇宙の中心へ向かう方向性というのは、宇宙空間がマクロからミクロへと縮んでいく方向ということになります。

この2方向の円錐の対称性のことを、ヌーソロジーでは人間にとって最も基本的な対化であるとして、「方向の対化」と呼んでいます。これら2つの方向性を、次元観察子ψ1とψ2と呼びます。


 モノの中心Oから天球面∞方向へ  天球面∞からモノの中心O方向へ
        (ミクロ→マクロ)         (マクロ→ミクロ)

図2 次元観察子ψ1とψ2
(『2013:人類が神を見る日 アドバンストエディション』p.353より)

ヌーソロジーの言説に基づいて、次元観察子ψ1とψ2をまとめておけば、以下のような感じになります。


■次元観察子ψ1
…一つのモノの中心点Oから天球面方向∞に等方的に広がって行く空間の方向性。
無限小(ミクロ)無限大(マクロ)。
■次元観察子ψ2
…天球面に広がる∞から一つの対象の中心点Oへと収縮してくる空間の方向性。
無限大(マクロ)無限小(ミクロ)。
⇒宇宙の広がりを時空として考えれば、ψ13次元「空間」の広がり、ψ2が過去から現在に至る「時間」の方向性と見なせるから、人間においては、ψ1空間ψ2時間とも呼ぶ。

 私たちは、ミクロからマクロへ拡大する方向のψ1だとか、マクロからミクロへ縮小する方向のψ2だとか言ったときに、何を想像するかというと、自然に、ボールのようなモノと空間の境界面を想像していて、その境界面を拡げたり、縮めたりしていることがわかります。

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